駄目人間は今日も

鬱病を持っている駄目人間サラが吐瀉する徒然エッセイ

サンプリング

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■サンプルAの発言no.01

他人の心の中だけは覗けませんよ。

私を含めて誰かの言葉や行動は心の一部が見えただけです。

私はあなたの心の奥をみる事は永遠に出来ませんし、あなたが私の心の奥をみる事も永遠に出来ません。

あなたがどれほど誠実に心の内側を開いて見せてくれたとしても、きっとそれは心の入口のもっともっと手前でしょう。

本当の喜びも哀しみもあなたの心の輪郭から外に出ることはありません。

幸福で無自覚な錯覚は私が望んでいるものではないのです。

いっそ本当は心など存在していない事にしてしまったほうが、私はあなたを正面から見ることが出来るのかもしれませんね。

◆サンプルBの発言no.01

僕は見せられたくも見せたくもないんだよね。

言葉はいつでも不完全だしさ発信者と受信者の辞書は出版社も初版年代も型番もぜんっぜん違うからね。

そもそも同じ内容を翻訳し合おうって事自体、ナンセンスな欲望だと思うんだけどな。

僕の気分で言えば自分の手を使って時々はシャベルで掘りたいなと思ったりもするよ。

相手にはちょっと爪が汚れるくらいは手で掘ってくれたら、もうそれで充分に嬉しいんだけどな。

 

▼サンプルαの発言no.01

苦悩や挫折、努力や自虐。

必死に頑張って居る様や努力して汗している様、苦しみの中で活路を見出そうとしている様、全部誰にも見せたくないんだろう?

カッコつけてなんでもないよ、平気平気と言いたがっているみたいだ。

つまり君は、人間らしいあれこれを見せたくないんだろう?そういった美学が君の中に存在していることは最初から判っていたよ。

●サンプルβの発言no.01

今苦しい、という宣言はなんの意味も含まないの。

苦しいからこんな助けが欲しい、苦しいからせめて君は良くやって居るよと慰めて、と言うことなら判りやすいけど、それはしたくないの。

慰めてくれるのは物凄く有難いし申し訳無い気分になるわ。

でもね自分からそれを望む事はないのよ。慰めなんてわたしには必要ないわ。

 

■サンプルAの発言no.02

へえ。

あなたの場合はそうなんですね、私とは逆の性質、なんでしょうか。

だから、あなたは興味深いんでしょうね。

私は時々、言葉で誰かをキッチリと塗り固めたいような、少しサディスティックな気分になります。

お前の言葉を語彙を思考を総て上書きしてやる、という感覚です。

判りますかね。

掘るの自体は好きなんですよ、私だって。

◆サンプルBの発言no.02

んん。

何て言ったらいいのかな?

ほら「アタシのポケットの中みせてあげるよ」って言われたら、僕は少し残念な気持ちになっちゃうんだよね、多分。

「それ僕が自分であんたのポケットに手を突っ込んで探そうとしてたのに!楽しみとらないでよ!」っていう気分つーかさ。

サディスティックな感覚?

それは僕にはわかんないな。

塗りたくも塗られたくもないんだもん。

どっちかっていえば、試しに塗ってみて?っていうくらいの感じはまだわかるけどさ。

せっかくだから跡を残してみたいんだけど、どうぜ気まぐれに剥がしちゃうだろうしなあ。

それとももしかしたら、更に上塗りして混ぜちゃうかもしんない。

 

▼サンプルαの発言no.02

君の場合はそういう時に、"放っておく"のが正しい作法なんだな。

じゃあなるべくは君の苦しさを感知出来ないように、俺は今より少し馬鹿になっておく必要があるんだな。

想像力を捨てないと、放っておく事なんて到底出来そうもない。

●サンプルβの発言no.02

あなたはわたしの事を好きでもなんでもないの。

あなたはただ、身の回りで苦境に陥った誰かを見つけて、観察するのが趣味なだけ、出来れば自分もその苦境に参加したいだけ。

わたしはたまたまあなたの目にとまったけど、それがわたしでなかったとしても、きっと同じ行動と考えに至ったはずよ。

 

■サンプルAの発言no.03

ああなるほどね。

その気分は私にもありますよ、楽しみたがり病ですから。

サディスティックな感覚は、時と場合によって表出します。

でも大概は長続きしません。

時々たまにほんのり、って程度です、私の場合は。

上塗りし合って、色がめちゃくちゃに変わるのは望むところですけどね。

たとえばあなたと。

◆サンプルBの発言no.03

楽しみたがりなのは最初からわかってたってば。

なんつーか、滲み出てたよ、あんたから。

じゃあさ、せめて色を混ぜ合うってところから始めてみない?

ねえ、どんな色が見えるんだろうね、楽しみじゃない?

もしかしたらその色は、あんたの心の一部ではないかもしれないけれど、新しいあんたのカケラかもしれないじゃん?

悪くないよね、この感じ。

 

▼サンプルαの発言no.03

そうだと感じるのなら、そうかもしれない、いや真実なんてどうとでも解釈出来るし感じたままが総てだ。

出逢いはいつも、誤解と妄想を燃料にして少しずつ本当の相手を知るという悪戯めいた仕草に過ぎない。

でもだからなんだと言うんだ?

そうやって始まった関係性に価値がないという理由や理屈もまた論理性に欠いた主張だろう。

論拠のない状態にこそ意味があると感じているんだ。

●サンプルβの発言no.03

まったくあなたはロマンチスト過ぎるのよ。