駄目人間は今日も

鬱病を持っている駄目人間サラが吐瀉する徒然エッセイ

BIRTH

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大阪には楽しいお店がたくさんある。

他の地域に精通しているわけではないから、楽しいお店が大阪だけにある、とはいいきれないけど、明らかに大阪に多いのは間違いない。

今夜は素敵なお店で夕食をとった、わたしがサラです。

今日は何の日か。

今日は、我が社の社長の誕生日だったのである。

社長はおん年53になられたのだそうだ。

へえそうだったんだ知らなかった。

本当に知らなかった。

 

ただ、今日が誕生日であるコトは、本人の猛烈なアピールによって知るところとなっていたので、まあ確かにお世話にはなっているコトだしと思って、わたしの長年の同僚である2歳年下の男性社員を巻き込んで、3人の晩餐会を企画したの。

 

何好きですか?という質問に対して食い気味に「肉!」と即答する53もどうかと思ったけど、それならそれでと一計を案じ、とあるステーキハウスを予約した。

いうまでもないけどわたしはこの時点で、お腹を壊すこコトが確定している。

今更その程度はどうというコトもないハードルに過ぎず、わたしは自信をもって社長を目的のステーキハウスにお連れした。

 

「ステーキハウス野田」である。

 

このステーキハウスは梅田で40年以上も続く老舗で、といってもカウンター7席という実に小さなお店。

店長は2代目、既に15年切り盛りしている。

このお店は肉の質や料理のアイデアがもちろん絶品なんだけど、それ以外のサービスも最高なの。

コースが一通り終わってデザートが出てくる頃、店長はおもむろにバナナを3本取り出し、3組の客前に1本ずつ並べる。

 

今日はみなさんにステーキハウスの居合斬りっちゅうもんをお見せしましょ。

そういうなりバナナが置かれたカウンターの手前を、包丁の背で人数と同じ回数だけ、カチンと鳴らして叩く。

 

さ、剥いてみてください、みなさんの数だけ中身だけ切りましたんで。

皮を剥くと、ちゃんと人数分に切れている。

おおおっ、と沸き起こる喝采。

この技は中国福建省で3年の修行ののち体得したのだ(自称)とか。

 

ああ、残念やったなあ、昨日きてくれはったらこれがメロンやったのになあ、ほんま残念でしたなあ。

どうやったのー、的な会話の熱が冷めないうちに、次のネタが絶妙のタイミングで滑り込んでくる。

 

福建省での修行1年目で教わるやつもありましてね。みなさん、こんなん知ってはりますか?

そうして次々とマジックや小話などでお客を存分に楽しませてくれるの。

こういう時の関西弁はほぼ無敵よね。

ひとしきり笑い楽しませてくれて気がつくと、適度に頃合いの帰宅タイミングになっているという仕立てになっている。

そして毎度店長のショーマンシップに感嘆するんだけど、さて帰るかなと支払いをしている時でさえネタは仕込まれていたりするんだけど、ここは敢えてネタバレはしない。

 

ちなみに、先代のお父様の頃からずっとこういうスタイルなんだって。

 

そうして店を後にするする時、またいつか大切な人との晩餐にはこのステーキハウスにお邪魔して楽しませてもらおうと心に決めている。

社長も大いに楽しんでいただいたようで、ありがとう!ありがとう!と夜の梅田で大声のお礼を連発してくれた(超恥ずかしい)。

 

わたしはまたいつか誰かを連れて、あの店長の顔を見にいくだろう。

そしてまた、同席した見知らぬお客とともに、店長のワンマンショーを楽しむんだ。

 

さて、胃腸薬胃腸薬っと。

大人の肉ドリル

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